2018.08.20
機械をスムーズに動かすために潤滑油は欠かせない存在です。
今回はそんな潤滑油の中でもグリスについてみていきましょう!
機械を円滑に動かすために欠かせない潤滑油の一つがグリスです。
グリスは油よりも粘度が高いため、常温時には半固体となるのが特徴です。
グリスの構成成分は、基油中に細かく分散して安定的な構造を作る「増ちょう剤」、添加物が入る前のベースである「基油」様々な機能を付加する「添加剤」で構成されており、これらによってグリスの種類が変わってきます。
【増ちょう剤別の種類】
増ちょう剤の中でもさらに石けん系と非石けん系に分類されます。
元来のグリスは耐水性のあるカルシウム系と耐熱性のあるナトリウム系の使い分けでしたが、どちらにも強いリチウムなどの登場でどんどん種類が増えています。
【1】石けん系
■カルシウム石けんグリス
耐水性に優れていますが、一方で耐熱性は乏しいのが、カルシウム石けんになります。
用途としては低速・低荷重の摺動部に用いるタイプです。
■リチウム石けんグリス
耐水性にも耐熱性にも優れている万能タイプです。
一般的な摺動部から高速ベアリングまで広域にわたって用いられます。
■アルミニウムコンプレックスグリース
耐水性にも耐熱性にも優れ、さらにグリスの粘度低下に抗う力である、せん断安定性にも優れているタイプです。
構造はとても細かい繊維状になっています。
【2】非石けん系
■ベントナイトグリース
耐熱性に優れているタイプです。他の石けん型と混ぜると性質が変わる可能性が高いので、注意が必要といえます。
■ウレアグリース
耐熱性・耐水性ともに優れており、高温状態の摺動部に用いられるタイプです。
グリスを正しく塗ること、ふき取ることは部品一つ一つを長持ちさせる意味で、とても大切です。
①グリスを塗る
グリスを正しく塗るには正しい道具を使う必要があります。
一番用いるものはグリスガンと呼ばれるものです。カートリッジ式のグリスをセットして先端ノズルからグリスを出します。
先端にも長いもの短いもの、太いもの細いものと種類が様々あるので、場面に応じて使い分けて下さい。
また、グリスを引き延ばす際にはへらを使う必要がありますが、何も専門品を使う必要はありません。
調理用のへらなどにも良いものがあったりするので、いろいろ応用を試して自分好みのへらを見つけてみましょう!
②グリスをふき取る
グリスのふき取りにも正しいふき取り用洗浄剤を用いる必要があります。
また機械によってはグリスの混入から大問題が発生することもあるので、余分なものは専用のウエスなどを使い丁寧にふき取りましょう!
最後にグリス選びのポイントを3つにまとめて解説します!
【1】使用する部分
摺動部、歯車などグリスを使用する部分は様々ですが、それぞれの場所で用いるグリスの種類、使う機材などが変わってきます。
高速なのか低速なのか、温度が高くなるのか、低いのかなど、使用箇所の所与の条件を確認しましょう!
【2】使用する場面
配管部に油が詰まってしまった、焼き付きが起こってしまったなど、グリスに関するトラブルも多種多様です。しかし一方でその様なトラブルを解決し得るだけの種類のグリスがあります。状況を見極めて、何が問題であるか探ってみましょう!
【3】頻度
①使用する部分②使用する場面で大体のグリスは決まってきますが、最後に頻度も考慮に入れることをおすすめします!
高速回転部には高頻度で使用する必要がりますし、一方で低速部に関してはそこまで頻度が高くならない等、使用頻度によっても差が出てきます。
どのくらいの頻度で使うのかも併せて考えてみましょう!
いかがでしたでしょうか?
一口にグリスといっても様々な用途に向けたグリスがあることがお分かり頂けたと思います。
ぜひ選び方のポイントなどを参考に目的に合ったグリスを選んでみましょう!